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”ブラック企業”なるなかれ ”ブラック社員”なるなかれ

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ワタミの過重労働裁判やドンキホーテの36協定違反など、現在世間では企業に対する労働時間規制が厳しく布かれています。

ブラック企業大賞や、ブラック企業認定など、企業は一度ブラック企業と認知されてしまうと、人材の採用が難しくなるだけでなく、本業のビジネスにおいても大きな影響が出る時代になっています。

各企業においては、以前のブログでも記載した36協定の締結など法定上の対応だけでなく、各社員の勤怠状況の把握、改善、対応を常に考慮しておく必要があります。ブラック企業と認知される前に、専門家である社会保険労務士等にご相談いただくことをお勧めいたします。当事務所でも労務コンプライアンス診断などを請け負っております。

ここからは私感になりますが、この世間の風潮に関して、当然ブラック企業となる会社は”悪”だという認識は強くあるのですが、あまりにも一方的に企業ばかりを責められるのはどうかと感じています。

ブラック企業と言われている会社ではあっても、厳しい競争を勝ち抜くため、厳しい目標を従業員に課し、しっかりと本業を成功させている会社もあります。社員を犠牲にしての利益は良くないことですが、企業が利益を出せなくなれば人は働く場所を失うことになります。企業が利益を出すためには競争に打ち勝つ相応の努力が必要です。そのあたりをあまりにも一方的な論調で叩かれている風潮が気になります。

タイトルにも記載しましたが、”ブラック企業”がある反面、”ブラック社員”も世間には多く蔓延っています。

企業は残業代をできる限り抑制し効率良く働いて欲しいと思っていますが、日中はボーっとしていて、夕方頃から急に仕事に励みだし、結局時間内に終わらず残業をすることになる、そんな人あなたの近くにいませんか?

労働基準法では、労働者を簡単に解雇することはできません。これは労働者保護を前提とした当然の考えではあるのですが、営業成績も、勤務態度も悪く、周囲に負の影響をもたらす社員をずっと抱えていないとならないとなると、企業の競争力は落ちていきます。

重要な業務の日にかぎって有給休暇を使用したり、病欠する人などはいないでしょうか?

過去に遭遇したケースですが、あまりにも勤務態度が悪い職員に退職勧奨に関する話をする予定をしていた日に、会社に来る途中に階段から落ち、けがをしたため、会社を休まなくならなくなったことがあります。労災での休業中は解雇できないという法律があることを知っていたのかどうか?その社員は今も会社を休みながら労災保険の休業補償をもらい、会社に在籍しています。

これからTPPが成立し、様々な規制の多くは撤廃され、今まで影響が少なかった業種もグローバル間での競争に巻き込まれることが増えてくると想定されます。その時にこれまでのような保護一辺倒のやり方で世界と戦えるか?非常に疑問を感じます。

”ブラック企業”なるなかれ、しかし”ブラック社員”なるなかれ。

企業としては難しい舵取りではあるのですが、ブラック企業にならないよう、しっかりと会社の体制や法対応をとりつつ、ブラック社員もいかに作らないかという手法を常に考える必要がある時代になりました。

簡単に解決できる問題ではありませんが、こういった問題にこそ、社会保険労務士が企業に継続的に相談や改善を提案していく重要なポイントではと思っています。当事務所でもこういったご相談は喜んでお受けしております。

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