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ストレスチェックの基礎知識

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2015年12月より、従業員50人以上の事業所では、年1回以上のストレスチェックを実施することが義務付けされました。

ストレスチェックは、年々増える精神的な疾患や過重労働や職場のストレスによる疾病の発生を未然に防ぐための、予防的な制度になります。
下記、実施にあたっての要点をまとめましたので、参考にしてください。

①ストレスチェックが義務付けられた理由

精神障害における労災件数が年々増えています。2013年の精神障害による労災補償請求件数は1,409件。これは、4年前と比べておよそ1.25倍に増加した数字です。ちなみに、年齢別では30~39歳が最も多く、業種別では、「社会保険・社会福祉・介護事業」「医療業」「道路貨物運送業」「情報サービス業」が上位を占めています。(厚生労働省による平成25年度「脳・心臓疾患と精神障害の労災補償状況」参考)
こういった背景より、職場環境における精神的な負荷の改善が急務となっています。

②実施の概要

年1回どの時点で実施するかは企業の任意で決めます。効果的な方法としては繁忙期後の時期に実施すると、より業務の負荷の度合いを判断できますので良いと思います。実施の流れはこちらです。

(1)事業者による方針の設定と告知

(2)衛生委員会等で実施方法について審議

(3)従業員に周知

(4)調査票を用いたストレスチェック

(5)高ストレス者に対する医師の面接指導(希望者のみ)

(6)職場ごとのストレス傾向を分析(任意)

③実施の注意点

従業員の精神状況を把握するということは、非常にセンシティブな問題です。そのため、このストレスチェックを実施する者として、企業の人事権を持つ役員等が実施者になることが禁止されており、また、役員等が従業員の許可無くチェックの結果を見ることが禁止されています。これは、もしストレス過多になっている従業員に対して不利益な人事異動などをさせないためのルールとなっています。実施者の主担当は医師もしくは保健師等で、社内のアンケート配布や回収も担当を決め実施する必要があります。

従業員の中でストレスを強く感じているものからの依頼がある場合、医師により面接指導を実施する必要があります。これは従業員の希望は任意のものではありますが、希望があれば必ず実施する必要があり、会社としても予防的な観点から実施していくことが必要です。

また、部門や性別、年齢等による傾向を測るための集団分析を任意的に実施することが推奨されています。これはチェックの内容を職場環境の改善に繋げるため、ある程度のくくりでの傾向を認識することで、組織的に起こっている問題に会社が対応できるような仕組みとなります。

④高ストレスと診断された従業員がいた場合の対応

医師による面談の中で、業務転換や休養が必要と判断された場合、医師等の意見を参考に事業者は必要に応じ就業上の改善措置を実施することが必要です。制度の趣旨より、従業員に不利益な対応を取ることは禁止されています。会社としても、高ストレスが発生している要因を分析し、人員の補充や業務量の調整、部門間での業務割り振りの問題点を解決していくことが求められています。

上記の対応により、未然に従業員個々のストレス度合いを確認することだけではなく、会社として、どの部門や特定の従業員に負荷がかかっているかを確認し、未然に労働災害を防ぐための措置を講じていくことが必要です。

会社にとっても、昨今過度なストレスや精神負荷のため優秀な従業員が休職等になることは大きな損失となるため、しっかりと未然に防ぐ制度や仕組みをしっかりと作っていくことが必要です。

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