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労務管理におけるコロナウイルス対策

 

コロナウイルスの影響で、全国の小中高のほとんどが3月いっぱい休校となる情勢となりました。

職場においても集団感染を防ぐため、対応が急務となりました。その中で、制度として対応するのは急でもあり難しい部分もありますが、急ぎ対応できる方法を挙げていきます。

①在宅勤務の実施

既に在宅勤務、リモートワークのルールがある会社は、対象拡大や義務化により、どうしても会社に来ないと対応できない職種を除いて適用するのが最短の策です。雇用契約では勤務場所を労働条件通知書に特定する必要があるとされていますが、当然入社後勤務地や内容が変わることはあります。会社の指示として、また労働者も意向があれば在宅勤務を指示することは労務面でも問題ないと解釈されます。

 

②勤務時間の繰り下げを実施

通勤ラッシュにおいて、ウイルスに感染している人が同乗していた場合、濃厚接触による感染の危険があります。そのリスクを回避するためには勤務時間の開始を1時間遅らせるなどして、ラッシュを避けるなどの方法があります。就業規則などで、「勤務時間の繰り上げ繰り下げを実施する場合がある」という記載があれば、3月の一定期間だけでも時間を調整して勤務してもらうことで、感染のリスクを逓減できる可能性があります。

 

③フレックスタイム制の導入、フレキシブルタイムの拡大

フレックスタイム制を導入されている会社の場合、フレキシブルタイムを拡大して、朝と夜の出勤時間を調整することが可能です。また、導入していない会社でも労使協定を締結すれば、フレックスタイム制の導入は可能です。期間限定としても良いかもしれません。フレックスタイム導入における労使協定は労働基準監督署への提出義務が無いので、労働者代表との締結、周知を行えば比較的早く導入が可能です。

フレックス労使協定例

④休業補償、年次有給休暇など

会社が感染の拡大リスクがあったり、この社会情勢により経営状況が悪化したケースで、休業して従業員を休ませる場合、労働基準法では通常の賃金の6割を補償する義務があります。なお、安部首相の会見(2020年2月29日現在)ではこういった休業補償を行う会社に対して助成金を支給するということを表明していますが、確定的なものではないので、詳細が決まらない中では対応が判断できません。

もし従業員の方に年次有給休暇が残っている場合、優先的に取得してもらい、所得を補償するとできると一番良いかたちになると思います。3月2日には小学生以下のお子様がいる家庭で有給休暇を取らせた場合、助成金の申請ができるという情報も出ています。

 

緊急な事態ではありますが、労使協力して、この難局を乗り切っていく必要があります。経営者の方にとっては、ビジネスの舵取りが非常に難しいところかと思いますし、従業員の方も、会社の経営に関する非常事態と認識して自身でできることを考え、対応していっていただきたいと願っております。

 

 

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